アメリカに来て1年と6ヶ月。
来てからの6ヶ月は、アメリカを楽しむことができていました。
しかし、2020年の年明けとともにコロナウィルスによるステイホームが始まり、それから現在まではほとんど家の中で過ごしています。
買い物と少しのドライブ以外で外に出る機会と言えば、人混みを避けられるキャンプやマウンテンバイクをしたりと。
マウンテンバイクをアメリカに来て始めて、ここにきて、自転車熱が再燃!
「日本に置いてきたロードバイクをどうにかして持って来たい」
と思うようになり、この度、日本からはるばるアメリカまで自転車の輸送サービスを利用したので、その奮闘を書きたいと思います。
もくじ
ロードバイクを海外に送れるサービスを探してみる
まず、ロードバイクを発送するにあたり、日本から海外に自転車を配送してくれる運送会社を探してみました。
日本郵便 〜 国際小包 〜
日本での配送サービスと言ったら、日本郵便。
日本郵便が提供している、海外への配送サービス「国際小包」のサイズ制限は以下の通り。
※国際小包のサイズ制限は、航空便、SAL便、船便で全て共通です。
対象国A | 対象国B | |
サイズ制限 | 最大長さ1.5m以内 及び 長さ+(高さ+幅)×2=3m以内 | 最大長さ1.05m以内 及び 長さ+(高さ+幅)×2=2m以内 |
重さ | 最大30kgまで | 最大30kgまで |
主な対象国 | カナダ 中国 イタリア オランダ オーストリアなど | アメリカ 韓国 オーストラリア フランス ドイツなど |
国際小包と言っても、配送先の国によって梱包箱のサイズが違うというのが面倒臭いところ。
対象国Aであれば自転車が入る箱はありますが、対象国Bのサイズ制限で自転車を梱包するのは難しい。
対象国Aの制限サイズでロードバイクが梱包できる箱はコチラ
ヤマト運輸 〜 国際宅急便 〜
日本郵便以外で大手輸送サービスとなったら、ヤマト運輸。
ヤマト運輸の国際宅急便のサイズ制限は以下の通り。
サイズ | 荷物の大きさ (縦・横・高さの3辺合計) | 重さ |
60サイズ | 60cm以内 | 2kgまで |
80サイズ | 80cm以内 | 5kgまで |
100サイズ | 100cm以内 | 10kgまで |
120サイズ | 120cm以内 | 15kgまで |
140サイズ | 140cm以内 | 20kgまで |
160サイズ | 160cm以内 | 25kgまで |
日本郵便の国際小包にあるように、最大長さに制限がないところが良いところ。
ただ、 一番大きい160サイズ(3辺合計が160cm以内)では、フレームのみを梱包するのも難しいです。
以上のように、日本で提供されている配送サービスでは、ロードバイクを海外に配送するにはサイズ制限が小さいことから難しいことがわかりました。
そこで、海外にある他の自転車輸送サービスを探して見ると、ワールドワイドに配送が可能な輸送サービスを見つけました。
その名も!
BikeFlights.com
「BikeFlights.com」(バイクフライトドットコム)は、自転車や自転車に関連するパーツを世界中に配送するサービスです。
このサービスは、サイクリストが異国で行われるサイクルイベントに出場するために使ったり、海外への引越し、パーツの売買など、自転車に関わる配送サービスを提供しています。
BikeFlight.com は、サイクリストの自転車を配送するため、2009年にアメリカ,ペンシルバニアに住む William Alcorn によって生まれました。
10年が経った現在では、世界中で88万人を超えるサイクリストの自転車や自転車のパーツを発送して来ました。
重量・サイズ制限
BikeFlight.comでの重量・サイズ制限は、通常の自転車+αであれば全然問題ありません。
ただ、梱包サイズ及び重量が大きくなるに比例して配送料金も高くなるので、梱包サイズは小さい方がお財布に優しいです。
配送について
配送は、アメリカにある輸送サービス「UPS」の提携で配送されます。
日本では、UPSと提携しているヤマト運輸が日本での配送を行います。
オプション料金(US$5)を支払えば、ヤマト運輸が家まで集荷に来てくれます。(日本からの発送の場合)
梱包について
自転車の梱包は、(場所によっては)自転車屋さんで貰える自転車が入る大きなダンボールや、飛行機輪行に使うハードケースはもちろん、どんな梱包でも配送してくれます。
有名な飛行機輪行ケースであれば、BikeFlight.com で出荷依頼で梱包サイズを記入する際に、選択画面で選択できます。
ただ、電車の輪行で使うような緩衝材の無い輪行袋での梱包はオススメできません。(個人的に)
日本の航空会社だけで配送されれば、乱雑に扱われることはないと思いますが、どの航空会社で配送されるか、配送国の空港によって扱われ方は変わるので、自転車にダメージが掛からないように緩衝材が入っている箱またはケースでの梱包がオススメです。
以上のように、BikeFlights.com であれば海外どこにでも問題なく自転車を送れることがわかりました。
手配について
手配は全て、BikeFlight.com のサイトから予約します。
サイトは英語ですが、簡単です。
手配するのに必要なもの
BikeFlight.com のサイトで予約が終わったら、担当者からメールで最終確認の連絡が来ます。(英文で)
そのメールで、以下のものを添付して返信します。(英文で)
・パスポートのコピー
・ビザまたは、滞在許可証のコピー
・アイテムリスト
Excel等で梱包箱の中に入っているものをリストにする
例)自転車1台、シューズ、工具3個など
・直近のFlight itinerary confirmation
(可能であれば)
おすすめの梱包ケース
私が今回使用した梱包ケースは、コーワ株式会社の EMS-3000 というダンボールを使用しました。
EMS-3000 は、海外に発送するために限り無く小さい寸法でロードバイクを梱包できるのが特徴で、値段も3,200円(税別)というのが非常に嬉しいポイントです。
自転車を入れるために作られたダンボールで、箱の外装には自転車のロゴや様々な言語で ”自転車” と記載されています。
箱の中に何が入っているのか一目瞭然なので、丁寧に箱の取り扱われが行われるはずです!
飛行機輪行用のケースは、非常に頑丈で、きちんと自転車を収納できるは素晴らしいですが、海外自転車通販サイトでも4万円〜といった値段で、私のように海外に輸送するため一回だけに購入するのはもったいないです。
ロードバイクの梱包
2021年の年明け早々に、日本の実家でロードバイクを梱包してもらいました。
アメリカに来て箱を開けたのですが、本当にピッタリと収まっていました。
梱包に使った工具
ロードバイクを EMS-3000 に梱包するにあたり、使用した工具を紹介します。
チェーンカッター
チェーンを切る際に使用。
Link 11は、12速チェーンまで対応しているので最近主流の自転車にも適合!
チェーンフックもついているので、チェーンを繋ぐ際にチェーンがバタつかずに済みます。
カンパニョーロの中空ピンにも対応
ペダルレンチ
ペダルを外す際に使用。
ワイヤーカッター
ワイヤーを外すことで、梱包性が良くなる。
アーレンキー
ロードバイクからパーツを外す際に使用。
クランクキャップ回し
シマノ製クランクをフレームから外す際に使用。
2~300円で買えるシマノ製工具。
小さい工具ながら、これがあることで簡単にクランクを外せます。
梱包するために外したパーツ
ISP(インテグレーテッドシートポスト)のロードバイク(56サイズ)をEMS-3000に梱包するために外したパーツは以下の通り。
・クランク
クランクを自転車から外すことで、ロードバイクが自立できる形になる。さらに、チェーンリングによるダンボール底面へダメージを無くすことができる。
・リアディレイラー
ディレイラーを取り外すことで、ディレイラーの損傷をなくせます。
・ディレイラーハンガー
ハンガーが曲がるのを防ぐ。
・クイックリリースレバー(ホイールから)
突起となってしまうレバーをホイールから外すことで、フレームへの傷をなくせます。
・ドロップバーハンドル
ハンドルバーをステムから外すことで、梱包が楽に出来ます。
・チェーン
チェーンを外すことでチェーンステーへのダメージをなくし、リアディレイラーが外せます。
・フロントブレーキキャリパー
ブレーキキャリパーを外すことでフロントフォークを180度逆向きにして梱包することができる。
・シートポスト及びサドル
・ボトルゲージ
・ホイール前後
・ペダル(左右)
日本からはるばるやって来た
BikeFlight.com での当初の配送スケジュールは、約1週間かかる予定でした。
しかし、なんと日本から発送されて3日目に、アメリカ, カリフォルニアのアパートに配達されました。
なんと脅威的なスピード!!
コロナウィルスで、飛行機がかなり減便されている中でこの速さは驚きです。
配送のトラッキングを見てみると、長野を出発してその日のうちに東京へ、次の日にはアラスカ州のアンカレッジ、そこでトランジットをして夜中にカリフォルニアにやって来たようです。
日本からはるばるやって来たダンボールは、フロントハブが外部に当たったのか1箇所穴が空いていましたが、それ以外は何も問題ありませんでした。
開封後にすぐに自転車を組めるように以下の工具を同封してもらいました。
・チェーンカッター
・ワイヤーカッター(新品のワイヤーにするため)
・ペダルレンチ
気になる輸送費用
今回、私がBikeFlight.comに払った金額は全部で
$477.75
でした。
内訳は、
シッピングコスト:$360.95
通関コスト:$99.00
プロテクション($1000):$12.80
集荷サービス:$5.00
です。
まとめ
正直、ロードバイクをアメリカに来る際に飛行機の預け荷物として持ってくれば無料でしたが、空港に持っていく手間やロードバイクで預けれなかったとした場合の荷物を国際小包として送ったら2~3万はするので、大きなロードバイクを移動させる手間を考えるとBikeFlight.comのサービスは同等か、それ以上の価値はあると考えれます。